『Sky 星を紡ぐ子どもたち』2019BESTゲーム、ソーシャルの新しいカタチ。

こんにちは、ヤツボシ(@yatsuboshi_です。

今回は、『Journey(邦題:風ノ旅ビト)』『Flower(邦題:Flowery)』などを手がけるthatgamecompanyから2019年にリリースされた『Sky』をご紹介します!

コンシューマーゲームとしてリリースされた『Flower』『Journey』、今回のゲームはなんと基本無料のスマートフォン向けゲームです!

※2020.04.27訂正 水谷立さんの漢字表記が間違っていました。正しくは 律→立 でした。訂正してお詫び申し上げます。

どんなゲーム?

Sky: Children of the Light – June 2019 Trailer – YouTube

スマートフォン向けに開発されたソーシャルアドベンチャーゲーム

鳥のように飛べる魔法のケープを身にまとい、幻想的で美しい世界、素晴らしいBGM・音響のなかで個性豊かな7つの世界を冒険します。

かつて栄華を誇った空の王国。あなたは星を紡ぐ子どもとして、落ちてしまった星々を星座の元に届ける旅を通じ、この滅びの地に希望を取り戻していくこととなるでしょう。

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」をApp Storeで より引用

言葉では語られない世界で、それぞれのアドベンチャー体験が待っています。

AppleのBest of 2019などの受賞

2019年の12月に発表されたapp storeのBest of 2019にてベストiphoneゲームを受賞しています。他にも様々なAwardsのノミネート、受賞をしていて評価を受けている作品です。

参考 Apple、2019年のベストアプリケーションとゲームを発表 - Apple (日本)Apple Newsroom
https://twitter.com/thatskygameJP/status/1219767521651281920

基本操作はシンプル

基本操作はシンプルな仮想コントローラーによるもので、左領域のドラッグで移動、右下ボタンでジャンプ・ダッシュ・飛行、操作キャラのタップ(長押し)でエネルギー(音)を発する、といったものです。

オブジェクトへのアクションは、近づくと画面にアイコンが表示されタップすることで実行されます。また、コミュニケーション用のエモート選択ボタンもあります。

基本操作はシンプルですが、コミュニケーションも含めると豊富なアクションが用意されています。

ジャンルは”ソーシャル”アドベンチャー

本作は、他プレイヤーとの淡い〜深い交流、新しいソーシャル要素が特徴のゲームでもあります。

飛行のためのエネルギーの回復、隠された扉など、他プレイヤーと協力することで楽になったり、自分では行けない場所も手を引いて連れて行ってくれたり、呼び声で進む先を示してくれたり……。

フレンドとして機能解放をしていけば、ハイタッチやハグなどコミュニケーション面でも出来ることが増えていきます。

これらは、無くても進めるというのもポイント。一人でも十分に進行することができるデザインなので、自分の気分や好みで関わり方を決めることができます

言葉は無くとも、サポートしてもらったり、初心者を案内したり……。協力しあうことで生まれる達成感は、不思議と一人のときよりも大きく感じます

プラットフォーム

iOSAndroidで配信中。基本無料でアプリ内課金ありです。アプリ内課金の作品ではありますが、基本的なゲームプレイの部分に課金要素は影響せず、ドレスアップアイテムやコミュニケーションアイテムの拡張が主です。

最後のスタッフロールまで無料で不便なくプレイ出来ます!それも無料とは思えないクオリティの高さ……!

  • 対戦型、高難度アクションなどの刺激的なゲームじゃなくても良い
  • 多くを語らない雰囲気の良いゲームが好き
  • 美しいグラフィックと音の中を飛び回る爽快さ
  • 淡い〜深い関わりが持てる交流要素

これらに興味がある人には、ぜひおすすめです!なんといっても無料なので、合う合わないはあってもとりあえずダウンロードしてみてはいかがでしょう。

(上述した数々の受賞をきっかけに新規ユーザーも増えているようで、新規ユーザー向けにイベントや課金要素も整備されていくのではと個人的に思いますので、まだまだ始めるのに遅いということはないはずです!)

Let’s Play!

Sky 星を紡ぐ子どもたち

Sky 星を紡ぐ子どもたち

thatgamecompany無料posted withアプリーチ

幻想的なビジュアル・音・音楽

Sky: Children of the Light – Adventure Promo – YouTube

このゲームの魅力としてとにかく美しいビジュアルがあげられます。光、雲、空、砂、草、遺跡、レンズエフェクト……。個性豊かなエリアの数々で魅力的な世界が描かれます。

またこのゲームは、スクリーンショット機能・ムービー録画機能がアプリ内の機能として実装されていて、それを使えばUIなどを映さず綺麗な景色をキャプチャすることが出来るようになっています。

空を飛ぶ爽快さ、光の表現

『Sky』の名の通り、空の描写と飛びまわる気持ち良さは格別。飛行機雲のように軌跡をひきながら飛行を楽しむことができます。

空に飛び立つ気持ち良さ

白飛びする陽光も気持ちいい。

雲の表現

この雲の”雲感”。やばい。

炎や星など光の表現

炎、星、日の光、レンズエフェクトなど光の表現がとてもキレイ。さきほどの画像などにも見られますが、白飛びしたり、レンズ効果のようにチラつく光が見えたり。

光の子ども。触れると飛ぶエネルギーの上限が増える収集要素でもある。

上の画像のように、きれいな光のエフェクトはプレイヤーに収集要素の位置を知らせるUI的役割も果たします。インフォメーションをこんな美しいエフェクトで実現するなんて素敵。

そばで聞こえるパチパチ燃える音が癒し。

ゲーム内で”光”はエネルギーの回復などに使われるなど大事な役割を担っていますが、炎はその光の一つとして色々なところに存在します。

なかでもロウソクはキーになるアイテムです。”光のかけら”というロウソクの光を収集することでゲーム内通貨として使えたり、ロウソクの灯を合わせることで他プレイヤーが可視化されるなど、他プレイヤーとの交流にも使われます。

様々なところに置かれ、重要な役割もある炎の揺らめきは、とてもキレイに表現されていて幻想的な光景を作り出しています。

暗いところでは炎を灯すことで周りが照らされて目印になったり、エネルギー回復に使えたり……。”明かりを灯す”という行為が、ありがたかったりキレイだったり、ホッとするものとしてデザインされていて気持ち良いです。
キャンドルナイトの光景とか、ロウソクがたくさん使われている西洋の教会とか、それらを見たときのような視覚的な感動が思い出されます。

きっと見つかるお気に入りの場所

そんな光の中で視覚される景色もまた美しく、それぞれなりのお気に入りのロケーションがきっと見つかるはずです。

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Slider

そんなお気に入りの場所が見つかったら、フレンドの手を引いて案内したり、されたり……。それが出来るのもこのゲームの良いところです。

音と音楽

視覚だけで無く音響・音楽もとても素敵にデザインされています。エリアごとの環境に合わせた音響・音楽、キャラクターの動作やプレイヤーへのインフォメーションのためのSE、コミュニケーションための機能を彩る音……。

上にプレイヤーへのインフォメーションをレンズエフェクトのような光で見事に表現したものを紹介しましたが、そのようなプレイヤーのためのインフォとしての役割を果たしながらも美しい表現というものは、視覚だけでなく聴覚的な部分でも現れています。

また、ゲームの進捗などプレイングに合わせて奏でられるBGMも美しく、おもわず歩くのを止めて聞き入ってしまいます。(サウンドトラックの販売はまだされていないと思います。欲しい。)

音量操作をするとTIPが。音も一緒に楽しんでという思いが伝わってくる。

リードオーディオデザイナーを担当されたのは水谷立さん(日本の方!)、オーディオ・ディレクター兼作曲家を担当されたのはVincent Diamanteさんです。

音に関しては別の記事で書いていますのでそちらもぜひ!

『Sky 星を紡ぐ子どもたち』記事の第二弾!「音」編!

想像がふくらむ物語

Sky: Children of the Light – Constellations Promo – YouTube

『Sky』の物語は、さきほど引用したように、

かつて栄華を誇った空の王国。あなたは星を紡ぐ子どもとして、落ちてしまった星々を星座の元に届ける旅を通じ、この滅びの地に希望を取り戻していくこととなるでしょう。

「Sky 星を紡ぐ子どもたち」をApp Storeで より引用

このような説明がされています。

ただゲーム内では、言葉で語られることが無く、壁画、ゲーム中の短いムービーシーンなどで、それぞれのプレイヤーの想像に任せるようにして物語は進行します。

言葉では語られない世界

世界観の語り方としてノンバーバルな手法がとられています。以下の画像は、チュートリアルステージのものですが、壁画という形で物語が紡がれます。

このような形で、ゲームを進めるうちに少しずつ世界観が語られていきます。なにを示しているのか、じっくりと考えながら進むのもこのゲームの楽しみの一つです。

分かんないけど感動する

「言葉では語られない」と聞くと、ディープなファン以外はとっつきづらいのではないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

”精霊たちを空に還す”という目的自体はシンプルで分かりやすいですし、メインのストーリーに関しては”よく分からないときの置いてけぼり感”も特になかったです。

大雑把にとらえれば何をやっているかは分かるようになっていて、もっと詳しく考えたい人には色々考える材料を用意してある、といった感じ。

物語の本当の詳細については正直分からないです。ですが、その抽象性はそれぞれなりの想像が入り込む余白として機能していて、そして何より映像が美しいので、ゲームとしての演出も合わさり最終ステージはとても感動的なプレイ体験でした。

最後のスタッフロールまでたどり着いたときには、感動して思わず涙目になり、そしてお礼として課金を決意しました(笑)。私にとって基本無料の課金ゲーに対する初めての課金でした。後述しますが、このゲームは課金ゲーの中でもプレイヤーフレンドリーなバランスで課金要素が組み込まれたゲームだと思います。

考察Wiki

上でも書いたように、言語で語られない世界観ゆえに作品世界に対して色々と考察をして想像するような楽しみ方をしているファンの人たちもいます。

非公式の設定考察Wikiもあり、一通りプレイし終えて世界観に思いを巡らせたい方にオススメです。

考察Wikiをチェック!

ハリウッド映画の手法

抽象的でも感動出来る物語というのは、どのようにして作られたのでしょうか。インタビュー記事にそれらに関わる話があるので引用してみます。

※ネタバレを含みますのでゲームをスタッフロールまで楽しんだ方のみの閲覧を推奨します

以下、感動を呼ぶ物語体験のデザインについて引用。

――エモーショナルな表現ということで、最近日本でも議論されたのですが、たとえばゲームデザインにおけるナラティブのデザインがあります。Chenさんは物語を体験させるデザインをどのように取り扱っているのでしょうか。

私は映画の手法を学んでおりますので、どうしてもその要素が入ってきます。ナラティブというのは、意識せざるを得ないというか、普通に学んだことです。「いいストーリーが入ってくるのが、いい映画」だと私は教わりました。

「いいストーリーで、優れた監督が、正しい技術で作られるものがいい映画」なのですが、ハリウッドの法則として、「Rise Fall Rise Again」という、(主人公が)立ち上がって、転んで、もう一度立ち上がる定番の手法です。

(中略)

『Sky』の場合は、最初は歩いたり走ったりし、その次に谷をサーフィンのように走り下り、地下に降りて迷子になったりします。さらに、山登りをするはめになって、ちょっとずつしか登れないとわかったところで、最後に、広い空を飛ぶことで、開放感のある体験ができるようにしています。

それはハリウッドの映画のように「立ち上がって、転んで、もう一度立ち上がる」感情曲線として描いているんです。

ビデオゲームを通し、いかに真の友情を育めるか?『Sky』… | Game*Spark より引用
ナラティブとは

ちなみに引用文中のナラティブの意味というのは、それぞれのゲームプレイという能動的な関わりによって生まれる固有の物語体験だとか、それぞれの記憶や経験が投影されながらストーリーを体験するものだとか……そんな感じのようです。

(正直よく分かってない……。)

ナレーションのnarraに、tiveでnarrative。訳は”物語“。ストーリーとどう違うの?と思うかもしれませんが、storyもnarrativeも和訳すると同じ”物語”ということです。むむ……。何か主観的な関わりというか、「“わたし”の物語体験」、という言い方が出来るものというイメージなのかなと思っています。

例えば、「桃太郎」の話の内容はstory、囲炉裏のそばでお婆さんから語られる「桃太郎」を”わたし”が聞く体験がnarrative……とか?

製作者のJenova Chenさんが学生時代に培った映画手法を生かし、ハリウッドの法則などを駆使して、プレイヤーの感情曲線を想定しながらストーリーを構成したことが分かります。

このように、映画法則なども使って理性的にコントロールしてくれるからこそ、言葉で語らずとも感動的な物語体験が可能になっているんですね。

Skyは「テーマパーク」?

Skyのゲームデザインやストーリーテリングに関して製作者Jenova Chenさんは、インタビューでこう述べています。

「『風ノ旅ビト』は映画のような作り方でした。『Sky』は2回作りました。まずは一本道のゲームとして、『風ノ旅ビト』と同じく映画のような作り方をして、3年かけて作ったんです。そこで『ストーリーだけのゲームはスマホじゃ誰も買わない』と言われてしまい……(笑)。なので、今度はテーマパークのような作り方をしないといけなくなったわけです」

(中略)

「映画であれば、終わるとお客さんはみんな帰っていきますよね。それではコミュニティができないので、3年かけて映画を作ってから、4年にわたってその映画をベースとしたテーマパークを作ったような感じなんですよ」

(中略)

「テーマパーク化する過程でストーリーの変更を繰り返し、7年かけてようやく小さなテーマパークとしてリリースできたわけです。そこには物語の核となる部分はもちろん残っているけれど、以前ほど明白なものじゃなくなってしまったのは確かです」

(中略)

オンライン要素の取り入れ方に関してはチェン氏の独特なビジョンがしっかりと反映されているとわかる。しかし、ゲームの形を「映画」から「テーマパーク」に変更することで、物語の描き方は大きく変わった。

「ディズニーランドの中で『白雪姫』に忠実な体験を届けようとするのはたぶん難しいでしょう」とチェン氏も認めている。

『風ノ旅ビト』が映画だとすれば『Sky』はテーマパーク?両… – IGN Japan より引用

前作『Journey(風ノ旅ビト)』を引き合いに、映画ではなく「テーマパーク」として作られたゲームだという話です。

インタビュー記事でも触れられていますが、一本道の物語体験としてはJourneyの方がよりシンプルで洗練された体験だったように私も感じます。

ただ、『Sky』には”テーマパーク“として豊かで個性的なエリアの数々、色鮮やかな世界、幻想的な光と音が溢れています。そして、より多くの他プレイヤーとの関係でおこるそれぞれ固有の体験。それらの魅力は前作とはまた違った部分で優れたゲーム体験だといえるものでしょう。

前作『Journey(風ノ旅ビト)』との共通点

物語の構成・感情曲線の演出・比喩的表現に関して、前作である『Journey風ノ旅ビト)』とも共通する部分があるとインタビューで語られています。

「私の大学の専門は映画だったので、物語の描き方を勉強してきました。『Flowery』、『風ノ旅ビト』、『Sky』はどれも三幕構成というハリウッド的なストーリーテリングを活用して、エモーショナルな物語を紡いでいます。この三幕構成は私のゲームの中での共通点だと思っています」とチェン氏は話した。

「『風ノ旅ビト』ではジョゼフ・キャンベルの『英雄の旅』を物語の構成に用いて、さらに孔子の『論語』の為政篇も比喩的に扱っています。『Sky』も基本的に同じで、構成に関してはあまり変えていないです。人間は、人生を紡いだ物語に癒やされやすいと思うんですよ」

『風ノ旅ビト』が映画だとすれば『Sky』はテーマパーク?両… – IGN Japan より引用

人生のメタファーとして捉えると、また違った物語の見方が出来るかもしれません。比喩的表現に関しては、「Journey」の記事にも書かれているので興味のある人はぜひ!

ゲーム『風ノ旅ビト』の魅力。体験する詩的な旅、風ノ旅ビトは人生。

淡い⇄濃い関係:独特のソーシャル

Sky: Children of the Light – Friendship Promo – YouTube

このゲームは”ソーシャル”アドベンチャーゲームということで、プレイヤー間のコミュニケーションに焦点をあてた機能が特徴的です。

  • フレンド手をつないで一緒に冒険できる
  • 感情表現エモートを使って非言語コミュニケーションをとれる
  • チャット機能
  • 自然と助け合うようなゲームデザイン
  • ゲーム内楽器の演奏

様々なコミュニケーション手段が用意されています。それも世界観をあまり壊さないようなバランスに調整されたものとなっているのがユニークです。

手つなぎ姿がかわいい。ほっこり。

名付け、火を灯して可視化…独特の交流システム

各エリアを冒険するとき、同じエリアには別のプレイヤーもまた存在していて各々が自由に歩き回っています。そこで出会った相手と一緒に進むのもよし、一人で攻略するもよし。その選択はプレイヤー次第です。

火を灯すまではおぼろげな姿だけ

他プレイヤーの姿は最初から見えているわけではありません。

このように影のような姿で描写されます。お互いのキャンドルを灯し合うことではじめて姿が見えるようになります。

最初は淡いつながりのオンライン要素ですが、自分の判断によって他プレイヤーとのつながりを深化させることが可能となっています。

自分で他者との距離をはかれるようにする配慮されたデザインですね。

フレンドには自分で名前をつける

他プレイヤーとフレンドになったとき、一番始めにすることは「名前をつける」ことです。

自分の名前を登録してそれが相手側に表示されるのではなく、フレンドの名前を自分でつけるようになっています。

その理由を語ったインタビュー記事を以下に引用します。

「本当は、『Sky』の子どもたちにも名前をつけたくなかったんですよ」とチェン氏は打ち明けた。

「でも、同時にたくさんのプレイヤーで遊んでいると、途中で誰が誰なのかわからなくなってしまうので、名前の表示は避けられないわけです。そこで、他プレイヤーの本当の名前ではなくあくまで自分が彼らに名前をつけるという設定にしました。だって、相手のユーザーネームにはとんでもないものもありますからね。『風ノ旅ビト』でも『PSアカウント名をキャラクターの上に表示すればいいじゃないか』という意見があったんですけど、ドナルド・トランプに金正恩やI’m your daddyといった名前が表示されてしまえばその時点で世界観が崩壊してプレイヤーは萎えてしまうでしょう」

『風ノ旅ビト』が映画だとすれば『Sky』はテーマパーク?両… – IGN Japan より引用

世界観をなるべく壊さずにするためのデザインだったんですね。細やかな配慮です。

自然と優しくなれる世界

このゲームでは飛行するために有限のエネルギーが必要で、”光”に触れることで回復するというのは上に書きましたが、他プレイヤーの発するエネルギーに触れることでも回復することが出来ます。

それは自分のエネルギーを分け与えるわけではなく、自分に何か報酬があるものでもないので、損得を気にせずに回復させてあげることができます。単純な優しさによって行われるものであるとも言えます。

助けたり助けられたり協力しあうことが心にポジティブな感情をもたらしてくれます。

“やらなくても大丈夫”なバランスの良さ

他プレイヤーとの協力は必須ではなく、前述のように特別な報酬が用意されたアクションというわけではないので一人での攻略も十分に可能です。

そこがバランスの良いところで、協力が必須だと効率や技能を相手に求めがちになるし、一人で楽しみたいときに面倒さを感じたり、結果として不満が生まれてしまうことに。そうさせずに、でもありがたく思えるバランスに調整されています。

前作では無かったチャット機能も

前作『Journey(風ノ旅ビト)』ではチャット機能はありませんでした。相手のことが分かることで魔法が解けたようにゲーム世界とのギャップが現れてしまうこと、PS3用ゲームだったのでチャットが打ちづらいことなどから採用されていなかったようです。

我々がゲームデザインを決断するときは、どのプラットフォームで発売(配信)するのかというところから決めることが多いです。(中略)当時はコントローラでテキストを打つことも難しかったので、テキストチャットもなくしました。(中略)

 そして、『Sky』はモバイル端末でプレイするため、簡単にテキストの入力が行えますが、チャットはゲームを進めて友情を育んだのちにはじめて開放される機能にしました。また、チャット機能を開放するかについてもプレイヤーが自由に選択できます。チャットを開放しなくても、ジェスチャーで感情を表現したり、メッセージを残したり、ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取れるので、あえてチャットを開放しないというのも楽しみかたのひとつだと思います。

『風ノ旅ビト』や『Sky』で知られる“thatgamecompany”設… – ファミ通.com より引用

Skyはコミュニティとしての役割もコンセプトに組み込まれているし、プラットフォームのスマートフォンの特性もあってチャット機能が採用されたようです。

段階をふんで解放されるチャット機能

ただチャット機能は段階を踏んで解放されるようになっているのがこのゲームの特徴です。

そもそもがキャラクターの動作で行う感情表現のエモートによってある程度意思疎通が出来るようになっているし、チャットをするにしても、

火が灯ってる間だけ喋れる。チャット機能すらロマンチック。

画像のように最初はステージの始めや終わりに置いてあるベンチでちょっとだけ喋れる、という限定された機能で親交を深めてから解放されるようデザインされています。

最初っから知らない人とガンガン喋るのってちょっと…という人も安心できる細やかな配慮です。それに、もしもチャットを好まないのであれば機能を解放しない選択も可能です。

エモート機能、後述の世界サーバー、ゲームデザインが合わさって、喋って当然といったオンラインゲームにあるプレッシャーは感じないようになっています。

英語のチャット時におすすめのアプリ

このゲームは日本語話者とだけマッチングするわけではありません。チャットを解放して初めてフレンドの方が海外の人だと分かり驚くことがあります。

国別にサーバーが分かれておらず、共通のものになっているそうです。

大半のオンラインゲームと異なり、サーバが国や地域別に閉じておらず、世界で共通であることも貢献した。中には日本と中国、アメリカとイランなど、政治的緊張が見られる国々でも、プレイヤー間の交流が数多く見られるという。

感情を伝える形と音~『Sky 星を紡ぐ子どもたち』を手がけ… | CGWORLD.jp より引用

言葉を使わずにコミュニケーションをとれるようデザインされたゲームだからこそ世界の人と同じように楽しむことが出来るんですね。

でもチャットを解放した時に、なんとなく相手の言いたいことが分かっても返す言葉が分からなくてチャットが出来ない…というのは寂しいですよね。

そこでおすすめなのが、G-boardというキーボードアプリです。

このキーボードは翻訳機能がついてるので、いちいちアプリ間を移動してコピペしたりせずに済みます。

(機能は良いのですが、サイズがでかくて打ちづらいのと、画面をほとんど占有してしまうのが玉にきず…。)

Gboard - Google キーボード

Gboard – Google キーボード

Google LLC無料posted withアプリーチ

参考 入力と同時に翻訳する - iPhone と iPad - Gboard ヘルプ入力と同時に翻訳する - iPhone と iPad - Gboard ヘルプ

オフラインではプレイ出来ない

やはりソーシャルな要素が特徴として作られているゲームだからか、オフラインではプレイ出来ません。

機内モードで起動してもプレイできない。

ゲームにインするとフレンドに通知が行くので、そのたびにワープしてくれるフレンドもいたりします。それ自体はとても嬉しいことですが、ソロで楽しみたい場合のために、例えばskypeやmessengerのアプリのようにオンライン状態を通知するかどうか選べたらいいのに、と思ったりもします。

好ましくない体験も良い体験のスパイスに

前作の『Journey(風ノ旅ビト)』では、淡い関係によるオンライン要素が賞賛されていたのですが、最新作『Sky』では良くも悪くもより深い関係を築けるようになったことで好ましくない体験をすることも。

まぁゲーム内の可愛らしいキャラクターがすることですし、気にしない人は何とも思わないでしょう。ただ、ゲームをしない層にもリーチしたいというコンセプトがあるゲームでもあるので、オンラインゲームに慣れていない人は余計に嫌な気持ちになってしまうこともあるかもしれません。

製作者のJenova Chenさんはインタビュー記事でそのような体験について語っています。以下、ちょっと長いですが引用します。

 それでさっきの話の続きみたいになっちゃうんですけど,僕は「Sky」という作品が人と人がつながる優しい世界を描きたいんじゃないだろうかと思っているので,いろいろなプレイヤーがいることに,そしてあなたがそれを――ゲームシステムとして――許容していることについて,ちょっと困惑しているというのが正直なところです。

Chen氏:

 それは例えばどんなことを指してますか?

4Gamer:

 例えば,すれ違っても挨拶をしない,ロウソクを渡さない,メッセージボードに変な書き込みをする,座ってチャットが始まると汚い言葉をかけられる……などです。「Jenovaはこれでいいのかな……?」ってちょっと思ってます。

Chen氏:

 いい質問です。

 「Journey」には2人のプレイヤーしかいないから,とても状況がコントロールしやすいですね。もしその人があなたと一緒にいたくないなら,どこか遠くに行くでしょうし,もしあなたがその人と一緒にいたくないなら,どこか遠くに行けばいい。それでもまぁ,最終的には一緒に旅をしたい誰かが必ず来ます。

 一方で「Sky」は家族で遊べるようにしたかったので,一つの世界にいられる最小単位は4~5人になります。言うまでもないですが,3人以上になると,途端にコントロールが難しくなるんです。

4Gamer:

 どうしても悪いサンプルが目立ってしまうというのもあるとは思いますが。

Chen氏:

 これも1つの例なんですが……3人が「Sky」の中で話をしてて,新しい人が来たけど,誰もその新しい人に話しかけなかったんです。それでこの新しい人が思うのは「その人達は自分の友達しか大事にしていない。誰も私に話しかけないし,友達にもなってくれそうにない。とても孤独だ」です。 もう1つ,ゲームを始めたばかりの人がゲーム中の扉を開けたいけど,これは誰かの助けが必要になります。それで助けを呼んだが,誰も来ませんでした。

4Gamer:

 そう,ゲームシステムがそれを許容していることに,ちょっとだけ困惑するんです。あなたが作りたかった世界は,こういうものなんだろうか,って。

Chen氏:

 もちろん,僕としてはこうなるのは嫌です。でもこういうことが起こるたびに思うのですが,ほかのところでは何か違う一面があるのかもしれません。

 感じの悪い3人組のほかにもう一人来て,その人が自分に近づいてきて話しかけてくれて,友達になれるかもしれません。またはこちらからの改善プランとして,例えば扉を開けることに協力しないと,それ以上ゲームが進められなくなるようにすればいいかもしれません。みんなあなたのことを助けてくれます。

 ……でもそうすると,他人の協力が本当の優しさなのかどうかが分からなくなります。僕はそれがイヤなのです。

いつか「ゲーマー」という言葉がなくなってほしい――「風ノ… – 4Gamer.net より引用

製作者としては、それらも含めてのゲームデザインという部分もあるようです。嫌なこともあれば良いこともある、もっと言えば、だからこそ人の優しさが際立つ、というようなデザインにされているのかもしれません。

ちょっと雑談

ゲームの感想などをみてみると、意外と他プレイヤーの愚痴が多く見受けられます。攻略に関しては基本ソロで出来るバランスなので、協力しあえればラッキーぐらいの捉え方でいたのですが、非協力的なプレイヤーを糾弾するような意見もあって難しいものだなぁと感じました。そしてそう思っている人がいることを知った途端、ゲーム世界も窮屈に感じたりするので不思議なものです。

ただこのゲーム、続けるうちにフレンドとの関係などしがらみも増えてくるのはたしかで、ゲーム内でも対人関係を気にすることをふと疑問に思うこともあります。

そんなときに以下に引用する記事を読んで、なるほどなぁと少し気持ちが楽になったので参考までに貼っておきます。 参考 「“いざとなったらぶん殴る”っていい考えでしょ」ずん飯尾が語る、いつも機嫌がいい人になる方法|新R25 - シゴトも人生も、もっと楽しもう。新R25 あんまり細かいことを気にせず、嫌なことがあったら場所を変える!嫌われたらそれはそれで!という気持ちで接するのが良いのかもしれません。しょせんはゲームの中での出来事なのですから。

スマホ向けゲームである理由

Skyを製作した「Thatgamecompany」がリリースしてきたゲームはプレイステーションWindowsPC向けのゲームでした。スマートフォン向けのゲームを開発すると発表した際には驚く声もありました。スマホは、プレイステーションやPCのような物理的なコントローラが無いので操作性で劣り、演算能力も比較的低いので、ゲーム体験のためのベストなプラットフォームとは言えない部分があるのです。

そんななか、世界中のゲーム関連の賞を総なめにした『Journey(風ノ旅ビト)』をつくった気鋭の制作会社がなぜスマホゲームをつくったのでしょうか。

普段ゲームをやらない人にも

なぜスマホ向けゲームを開発したのか、インタビュー記事を引用します。

 「Sky」の話をしましょう。多くの人は,僕達がスマホゲームを作ることに理解を示してくれません。僕達の作品のファンの皆さんですら,理解できません。そして大半のパブリッシャも,理解できません。「なんでわざわざスマホゲームを作るのか?」

(中略)

欧米市場はまだそうではないかもしれませんが,今やコンソールゲームはニッチなものでしかなく,多くの人にとって初めてのゲーム体験は,インタラクティブなメディアでストーリーを楽しむようなもの……僕にとっての「FFVII」のようなものではなく,どちらかといえばパチンコのようなものなんです。でも僕は,ゲームで人を感動させたいし,ゲームにも「心」があるということを教えたいんです。

4Gamer:

 だから逆に,スマホという「パチンコに近いプラットフォーム」を選んだということですか? 数も多いですし。

Chen氏:

 まったくそのとおりです。そのために,多くの人が使っているスマホというゲームプラットフォームを選びました。

いつか「ゲーマー」という言葉がなくなってほしい――「風ノ… – 4Gamer.net より引用

「普段はゲームをやらないゲーマーたちの奥さんや娘さんと一緒にプレイして感動できるゲーム。それは彼らが持っているデバイス、つまりはiPhoneでやらなければできないと思いました」

「風ノ旅ビト」のクリエイターが新作「Sky」の最初のプラッ… – IGN Japan より引用

普段ゲームをやらない人にも感動できるようなゲーム体験をしてほしいという思いから、ゲーム機より普及しているスマートフォンをプラットフォームに選んだということだったんですね。

スマホゲームという射幸心*まぐれ当たりによる利益を願う気持ち。ギャンブルやスマホゲームの課金要素はこれを利用する。 を煽るパチンコのようなゲームばかりの市場で、感動できるようなゲームを作るという部分の挑戦もあるようです。

またゲーマーにとっても、

『風ノ旅ビト』をプレイして、この体験を普段はゲームをやらない家族や恋人と共有したいという意見がたくさんあったそうだ。『Sky』はその希望を叶えようとした作品でもある。『風ノ旅ビト』にただローカルマルチプレイを実装しても、ゲーム慣れしていない人はコントローラーの操作に戸惑い、その時点で諦めてしまうだろう。だが、『Sky』のようにスマートフォン向けに開発されたタイトルであれば、なんとか一緒に遊べるはずだ。

「僕の理想は、ゲーマーが家族や友達にゲームの魅力をアピールするツールとして『Sky』を使ってくれることですね」とチェン氏は語った。

「若い男性が好む領域にしか触れていないゲームをもっと多様… – IGN Japan より引用

前作『Journey(風ノ旅ビト)』のようなゲーム体験の感動を、ゲーム機を持っていない人や家族や大事な人とも共有できるツールとして役立ててほしいと、Jenova chenさんは答えています。

ゲームのエモーショナルな部分を広げて

Jenova Chenさんはアメリカで過ごされているそうですが、アメリカでは銃乱射事件などが起きると「ゲームの悪影響だ!」というふうにゲームが批判の的にされてしまうと言います。(日本も同じようなものですね。)

そのようにして社会的にはリスペクトされないゲームの状況をどうにかしたいという考えもあるそうで、

「今ゲームをリスペクトしてくれない人達が,いつかゲームを尊重してくれるようになることをしたい。“音楽リスナー”とか“映画ウォッチャー”みたいな言い方がないように,いつか“ゲーマー”という言葉もなくなってほしい。音楽を聴く時に,映画を観る時に,人々は自分の気持ち(=ムード)を語るように,ゲームもそうなってほしい。」

いつか「ゲーマー」という言葉がなくなってほしい――「風ノ… – 4Gamer.net より引用

という思いを学生時代から持っていたと言います。

さらにゲームをリスペクトしてもらう方法として、

いまどきのゲームをジャンルで分類するなら,「冒険」「アクション」「スリラー」「ホラー」とかそういうものばかりで,これらはすべて,基本的には若い男性向きのジャンルになります。
 ある程度年齢がいった人や女性向きであるジャンルである,例えば「ロマンス」「恋愛コメディ」「ファミリー」「ドキュメンタリー」とかそういう――僕も最近こういうのがいいですね。年を取ったからかな?――ものは,小説などの伝統的なメディアや,映画や音楽には出てきますけど,ゲームではほとんど見つけられません。
(中略)
もしも,限られた人しか楽しめないものなら,そのメディアに対しての社会全体からの誤解がなくなることは決してありません。なので,ゲームを社会からリスペクトしてもらう唯一の方法は,ゲームのエモーショナルな部分を広げて,映画やドラマ,小説,舞台,音楽などのようにしていかないとならないと思います。
 老若男女を問わず,人種や宗教を問わず,誰でもゲームで自分に合うものを見つけられる日が来たら,そこでようやく,誰でもゲームを遊ぶ日が来ると思うんです。ゲームを「遊ぶか遊ばないか」ではなくて,どのゲームを遊ぶのかという選択になるわけです。

いつか「ゲーマー」という言葉がなくなってほしい――「風ノ… – 4Gamer.net より引用

と述べられています。

日本でも音楽リスナー、映画ウォッチャーなどという言い方はないのに対して、ゲーマーという区分はあるように思えます。そんな現状を変えるためにも、ゲーム機やPCという限られたプラットフォーム、限定的なジャンルの偏りなど現在のゲーム業界の傾向を考えてスマホゲームを作ることを決めたんですね。

スケールのでかい話ですが、このような感動を味わえるゲームがもっとたくさん増えてくれるとプレイヤーとしても嬉しいですし応援したいですね。

基本無料 & 一石を投じる課金モデル

『Sky』は基本無料のゲームとしてリリースされています。スマホゲームの価格形態は基本的にF2P(Free to Play:基本無料のこと)と買い切り型の二つです。

F2Pのゲームは広告がたくさん出てきたり、課金を促すためのゲームデザインになっていたりすることが多いです。作り込んだゲームは買い切り型のゲームが多い印象があるので、Thatgamecompanyのような雰囲気を大事にする制作会社がF2Pで出すのは驚きました。

なぜ基本無料のゲームとしてリリースされたのでしょうか。その理由を話しているインタビュー記事を引用します。

 これまで私たちはコンシューマーハードで売り切りのゲームを制作してきましたが、そうするとどうしても遊んでもらえる層が限られてしまいます。より多くの人に遊んでもらえるようにモバイルゲームを選んだので、F2P(※フリー・トゥ・プレイの略。基本プレイ無料のゲームのこと)の運営型タイトルにするのは必然だったと思います。

『風ノ旅ビト』や『Sky』で知られる“thatgamecompany”設… – ファミ通.com より引用

やはりより多くの人、普段ゲームをしない人にも遊んでもらいたいという思いから基本無料のモデルにすることで間口を広げる目的があったんですね。

Skyの課金要素

Skyは基本無料で物語の最後のスタッフロールまでプレイすることが可能になっています。ではどこに課金要素があるかというと、ドレスアップアイテムやコミュニケーションアイテムなどの部分です。

コミュニティとしての要素が強化されたSkyの世界ではキャラクターの個性やコミュニケーションが重要なものになるのでしょう。Jenova Chenさんは「ソーシャルステータス」という言葉で説明しています。

「コミュニティができると、ユーザーは自分の個性を強調したくなるので、ソーシャルステータスの課金要素を入れました」

チェン氏の言う「ソーシャルステータス」とは、要するに個性を主張できるスキンやエモートなどのことを指している。

「どんな無料ゲームであっても、ユーザーがお金を払っているのはいつだってソーシャルステータスを示すアイテムであり、コンテンツそのものは売れません」とチェン氏。

『風ノ旅ビト』が映画だとすれば『Sky』はテーマパーク?両… – IGN Japan より引用

さらにいえば、それらにいわゆるガチャと呼ばれるような運要素はありません。時短のための課金、ソーシャルステータスやコミュニケーションのための課金に限られています。

また、そのような課金用のチケットをフレンドにプレゼントすることも可能です。価格設定も一人分より自分+2人分の方がお得になるようになっています。

『Sky』は、自分のためではなく、他プレイヤーのために課金していくゲームなのです」

「風ノ旅ビト」のクリエイターが新作「Sky」の最初のプラッ… – IGN Japan より引用

F2Pのゲームながらも射幸心をイタズラに煽ること無く課金できるようにデザインされています。

ゲームデザインと課金のあり方

先ほど引用したインタビュー記事でも触れられていましたが、普段ゲームをやらない人が触れる機会の多いスマホゲーム市場では、”パチンコのようなもの”で溢れています。

それはP2W(Pay to Win*課金要素によって有利になるゲームデザインのもの。”課金者が勝つゲーム”を指した言葉。 )、ソシャゲー課金ゲー高射幸性*射幸心(思いがけない利益や幸運を望む心)を煽る性質が強いもの。 ゲームという風に呼ばれます。(日本では名称などもしっかり言語化されていないように思います。)

現在のゲーム界隈では、子どもや家族でもプレイできるゲームをつくっている任天堂ですらそのような射幸心を煽る要素をゲームに取り入れています。世界中に影響力のあるappleapp storeはポルノを締め出す一方でそれらを区別しません。まるで怪しい模造品に溢れて検索が機能しない通販サイトAmazonのようにApp storeもまたP2W・高射幸性ゲームで溢れかえっています

子どもやゲームに詳しくない人は、射幸性を判別するリテラシーが無いまま”パチンコのようなもの”に晒されることになります。そしてその人たちは、それらを”ゲーム”と呼ぶでしょう。

『Sky』があえてスマホゲームとしてリリースされたのは、そのようなものが”ゲーム”として認識されている現状への憤りも背景にあるといいます。

「僕のクリエイターとしての目標はゲームに対する偏見を変えることです。(中略)現在、スマートフォン端末で20億人がゲームをプレイしています。でも彼らがプレイするゲームの大半はあまりよくできたゲームではありません。一部のタイトルからは悪意すら感じます。こんなにもたくさんの人がゲーマーになっていることは喜ばしいことです。でも、モバイルゲームの流れは、ゲームというメディアを芸術性の高いエンターテイメントに成長させるという我々のこれまでの成果を――少なくとも5年か10年分――台無しにしているのです」

「風ノ旅ビト」のクリエイターが新作「Sky」の最初のプラッ… – IGN Japan より引用

と、悪意すら感じるような射幸心を悪用したデザインのゲームも含めてスマホゲームの大半があまりよくできたものとはいえないことを指摘し、そのようなゲームを作るゲームデザイナーを医者に例えて鋭く批判しています。

「病院に行って、医者が患者の病気を治療する代わりに、引き続き薬を買ってもらえるように病気を悪化させたとしましょう。そんな人は刑務所行きですよね? ゲームデザイナーの本来の仕事はプレイヤーを楽しませることです。ところがプレイヤーをイライラさせ、そのイライラをお金で解消できると見せかけておいて、本当はプレイヤーをさらにイライラさせるゲームがあるとすれば、そのデザイナーも刑務所に送られるべきだと思いませんか?(中略)このようなゲームデザインが普通になってきたことに対して強い怒りを感じます。でも企業はお金になるビジネスモデルを採用するものです。そこで僕は優秀なデザインのゲームで、プレイヤーのことを気にかけ、尊重する作品でもビジネス的に成功できるということを証明して見せたいんです。これができれば、他のやりかたもあるということをパブリッシャーや投資家に示すことになるはずです」

「風ノ旅ビト」のクリエイターが新作「Sky」の最初のプラッ… – IGN Japan より引用

世界的に評価されているゲーム製作者の方がこのようにズバっと言ってくれるのは気持ち良いです。

しかし高射幸性ゲームが溢れるというのは、それだけそのビジネスモデルが儲かるからこそ、とも言えるでしょう。

そんな中で、あえて同じ土俵に立ち”そうじゃないゲーム”でビジネス的にも成功を収めるモデルになってやるという挑戦でもあるという。Thatgamecompanyには社としてそのようなビジョンを持っているようです。

羨望・貧食・物欲・怠惰・怒り・嫉妬・高慢。キリスト教における7つの大罪だ。もっとも、ゲーム業界ではプレイヤーに対して、ゲームを遊んでこうしたネガティブな感情を想起させ、それらを解消するために課金させるしくみを、ビジネスの根幹に据える例も少なくない。thatgamecompanyは、それとは対極の立場を取る。ゲームを遊んでポジティブな感情をプレイヤーに想起させることで、売上が上がるようなゲームづくりを進めていくこと。これが同社のビジョンだと水谷氏は説明した。

感情を伝える形と音~『Sky 星を紡ぐ子どもたち』を手がけ… | CGWORLD.jp より引用

一般的になっているスマホゲームのビジネスモデルに一石を投じるようなタイトルでもあるわけですね。なんだか漢気を感じます。

個人的にはSkyのようなクオリティの高いゲームが増えてほしいし、ゲームをやらない人にも感動が共有できたらと願っているので、「Thatgamecompany」の挑戦を応援したい気持ちです!

日本では特にそれら”パチンコのようなもの”を指定して話すための言語化が整備されてないように思えます。スマホゲームの射幸性が問題になっているにも関わらずです。普段ゲームをしない人ゲームを詳しく知らない人が思い浮かべる「ゲーム」はスマホの普及とともに爆発的に普及した「パチンコのようなもの」の方でしょう。

香川県知事の件もそうですし、これからの「ゲーム」がどう見られるか、というのをポジティブな方向に向かわせることが出来るのはオールドスクールなゲームの良さを知っている人々しかいないと思います。もっとそういう議論や言語化による区分が活性化してほしいと個人的には思います。

好き嫌いという主観的な話では無く、まずはカテゴライズの問題として。

Skyのこれから

様々なプラットフォーム展開のうわさ

Jenova ChenさんがMCV誌のインタビューで家庭用ゲーム機のプレイステーションNintendo Switchへの対応を予告したということです。

参考 人気スマホゲーム「Sky 星を紡ぐ子どもたち」がコンソール対応を予告! クロスプレイも対応予定 | ガジェット通信 GetNewsガジェット通信 GetNews

スマホだけでなくゲーム機でもできるようになるんですね。タッチ操作などはどうなるのでしょうか。またiphoneユーザーが一緒に遊ぶことはできるのか続報が気になります。

詳細は分かりませんが、プレイできる裾野が広がり『Sky』がますます盛り上がるといいですね!

Skyはまだまだ要素が追加されていく?

2019年8月付けの記事では、

「(前略)これから各エリアにコンテンツを増やして、精霊たちのことを理解できるようになっていくので、この物語のもう1つのレイヤーも少しずつ見えてくるでしょう。ゲームを再訪する度に、精霊たちの物語が徐々に見えてくると思います」

「テーマパークは進化し続けるソーシャルな空間なので、リリース時点で不足していた要素や、ストーリーを届けるために必要な部分は少しずつ付け足していくことができます。シーズンパスと共にゲームを良くしていけるし、まだまだ盛り込みたいアイディアもたくさん残っています」

『風ノ旅ビト』が映画だとすれば『Sky』はテーマパーク?両… – IGN Japan より引用

2019年9月のインタビュー記事では、

実は『Sky』はまだ未完成なんです。本来であれば、ゲームの中にもっとい続けたいとか、ナラティブデザインの視点からも、ストーリークエストは上からまぶすものであるべきです。まだそこまで至っておらず、本当にクエストをやらなければならない理由が、すべて入れられていない状況です。

なので、今度それを追加するように、努力していくつもりです。自分にとって『Sky』はまだ100%の完成度にはなっていません。

ビデオゲームを通し、いかに真の友情を育めるか?『Sky』… | Game*Spark より引用

と話されています。

2020年になって、ここら辺はすでに追加済みなのでしょうか。私が2020年に入ってからのプレイなのでちょっと分からないのですが、もしかしたら今後、物語体験における追加要素も色々出てくるのかもしれません。

ライブゲームとしての運営方式だからこその楽しみ方が『Sky』のようなクオリティの高いゲームで出来るというのは嬉しいものです。これからの展開にも期待していきたいですね!

日本ユーザーのコミュニティ

ちなみに日本ユーザーの数は『Sky』のなかでも最大のグループの一つだそうです。SNSでもファンアートや感想がアップされていますが、SNS上のアクティビティの活発さは製作者さんも認識されているそうです。

日本でおよそ1万8千件のレビューがあり、北米ユーザーの半分にあたる数があり、そこでも星4.8の評価は変わりありません。そういう意味でも、日本のユーザーが一番私たちのファンなのではないでしょうか。

特にSNS上では活発なアクティビティがたくさんあり、その賑わい方は世界でも類を見ないくらい、熱いユーザーがたくさん集まっています。今後私たちも、彼らにとってよりよい体験を提供できるようにしていこうと思っています。

ビデオゲームを通し、いかに真の友情を育めるか?『Sky』… | Game*Spark より引用

じつは『Sky』のプレイヤー数は日本の方が最大のグループのひとつなんです。本当に多くの方にプレイしていただいてうれしく思っています。中国で生まれ、アメリカで育った私にとって、日本のことはまだまだわからない部分も多いです。ですので、皆さんからのフィードバックを聞いて、国際的なコミュニティにしていきたいと思っています。これからも、いっしょに『Sky』の世界を作っていきましょう。

『風ノ旅ビト』や『Sky』で知られる“thatgamecompany”設… – ファミ通.com より引用

例えばtwitterでは「#thatskygame」でSkyのことがシェアされていますので、チェックしたい人は是非!

コミュニティも含めて『Sky』がますます盛り上がることを期待しながら記事を終わりたいと思います!

ここまで記事を読んでくださってありがとうございます!よろしければ、Skyを製作したThatgamecompanyの前作『Journey(邦題:風ノ旅ビト)』の記事もどうぞ!

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